小論文第13回 女性差別と「日本社会の構造的問題」

 東京オリンピックを半年後に控えた、この2月3日、オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」との発言が「女性蔑視」との批判を呼び、その後、森会長は辞任に追い込まれました。また、森会長の発言は容認できるものではないが、この問題は森会長個人の問題…
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小論文第12回 介護とヤングケアラ―

 本年10月、ある裁判で22歳の幼稚園教諭だった女性に懲役3年、執行猶予5年という判決が言い渡されました。女性は母親の死後、中学生のころから同居していた90歳になる祖母を一人で介護していたのですが、学業や仕事と認知症の進む祖母の介護の両立に苦しみ、思い余って殺害してしまったという哀しい事件でした。「…
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コロナ下の入試

 来春実施される大学入試を前にして、心中穏やかではない受験生が沢山いることでしょう。でも、平常心を欠いて受験すると、実力を発揮できずにろくな結果にならないことは目に見えています。マスコミなどが発信する情報の多くは大学の入試の運用についてです。つまり、社会現象に目を向けているのであって、入試を受ける本…
大学進学+α

価値観の変化

 いつの世にも教育は大切だといわれてきましたが、その教育の恩恵に浴する受益者は誰なのでしょうか、なかなか明確な答は返ってきません。例えばイギリスやドイツでは「教育の受益者は納税者である国民」とはっきりと言うそうですが、日本では「教育を受けている本人、そしてその親」と言います。  日本が高度成長期を迎…
大学進学+α

人間としての基礎力

 古い友人に美術大学の先生がいます。彼の専門はグラフィックデザインですが、イラストレーション、広告、商品デザイン、舞台・建築デザイン、そして教員と活躍の場は広く、ひとつの場所に留まることを知りません。   以前、彼の授業を見学させてもらったことがあります。受講生は入学したての1年生で、男女…
大学進学+α

小論文第11回 タラちゃん言葉「です」

 小論文作成の際に避けたいものとして「タラちゃん言葉」があります。タラちゃん言葉とは、マンガ『ザザエさん』に登場するタラちゃんの言葉遣いのことです。「行ってくるデス」「お帰りなさいデス」など、幼児語とはいえ、タラちゃんは一風変わった「です」の使い方をしています。高校生の書いた小論文にも、しばしばおか…
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小論文第10回 「3R」の取り組み

 芸人兼ゴミ清掃員として話題のお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一氏、過日のラジオ番組にゲストとして出演し、ゴミ問題の「3R」を語りつつ、個人名の書いてある書類などの可燃ごみを無防備に捨てるのは危険だと指摘していました。3Rとは、持続可能な循環型社会の形成のために必要とされる取り組み、リデュース(…
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大学の学びと基礎学力

 大学は、高校で身に付けた学力を前提に教育を展開しています。その高校は、義務教育の学力を前提に教育をしています。義務教育は文武両道で、全ての教科を学びます。いわば教養の種ですから、美術・音楽や体育などを軽視してはいけません。全教科をバランス良く習得しておきたいものです。これが、高校で学ぶための学力の…
大学進学+α

自己肯定感

 あなたは自分のことが好きですか?  こう聞かれると、日本人の多くは「いやー、まいったな」とか「自信が持てないのですが」などと言います。「自分のことが好きです」と、はっきり言える人はどのくらいいるのでしょう。この疑問に答えてくれる調査があります。  詳しくは文部科学省のホームページを見て欲しいのです…
大学進学+α

小論文第9回 「フリーター」という生き方

 「フリーター」という言葉をご存じでしょうか。「フリーアルバイター」が略されたもので、生活のため働きはするが、自分のやりたくない仕事には就きたくない、責任ある仕事もいや、自らの思うがまま自由に生きていたいと考える若年層の人たちのことです。  1980年代のバブル経済期の日本において、フリーターという…
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