自己肯定感

 あなたは自分のことが好きですか?

 こう聞かれると、日本人の多くは「いやー、まいったな」とか「自信が持てないのですが」などと言います。「自分のことが好きです」と、はっきり言える人はどのくらいいるのでしょう。この疑問に答えてくれる調査があります。

 詳しくは文部科学省のホームページを見て欲しいのですが、その中に「日本の若者は自己肯定感が低い」という内容があります。この事に関しては様々な論評がありますが、私の考えはこうです。

 日本は欧米に追いつけ追い越せと努力して来ましたが、追い着くと目標がなくなり、何処へ向かえばいいのか分からなくなっているからだと思います。経済大国の次の目標が「幸福大国」になるといいのですが。

 そして、「叱らない」「やりたいようにやらせる」という教育が浸透して、我慢する心や持続力が育たなくなってしまいました。上手くいかないとすぐに投げ出してしまうため、人より秀でた能力が育ちにくくなってしまったのです。そして私たちは、長い間テストの点数で序列を付けられてきました。予備校や塾で身に付く受験学力です。これでは自分の価値や存在意義を肯定的に捉える「自己肯定感」は育ちません。

 PISAをご存じでしょうか。OECD(経済協力開発機構)が実施する学力の国際比較です。このPISAの2018年の調査で、日本が全ての項目でフィンランドに追い抜かれてしまい騒いでいると、外国人記者が「今までアメリカを目指していたのが、今度はフィンランドか。日本人はいったい何処の国の人間になりたいの?」と言っていました。ジョークなのでしょうが、恥ずかしい事この上もありません。

 これではいけないと、教育のやり方を変えようとしているのが今です。自分に自信が持てる人間を育成するために、個々人を様々な角度から評価しようというわけです。大学入試もそうです。でも、肝心の試験を業者に任せるとはどういうことでしょう。個人が取得する資格試験ならいざ知らず、大学教育の自主独立の精神は何処へ行ってしまったのでしょうか。これについては専門家が多方面から検討を重ねていますが、なかなか理想通りに行きません。被害を被っているのは受験生なのですが。

 だから、しっかりと目標を持って大学を目指してほしいのです。周囲の状況がどう変化しようとも、明確な目標を持っていれば、それについて学ぶ適切な学部学科は必ず見つかります。その学部学科を持つ大学、それがあなたの志望校です。新しい入試の延期や感染症、自然災害と困難な状況が続きますが、自分を信じて諦めずに頑張ってください。努力したことは将来必ず役に立ちます。

 私ですか。己を信じて得た幸せは、家族と大切な友人です。

by MATSUTANI