小論文第10回 「3R」の取り組み

 芸人兼ゴミ清掃員として話題のお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一氏、過日のラジオ番組にゲストとして出演し、ゴミ問題の「3R」を語りつつ、個人名の書いてある書類などの可燃ごみを無防備に捨てるのは危険だと指摘していました。3Rとは、持続可能な循環型社会の形成のために必要とされる取り組み、リデュース(REDUSE)・リユース(REUSE)・リサイクル(RECYCLE)のことです。

 私たちが捨てるゴミをめぐる問題は、近年ますます深刻さを増しています。日本人1人が1日に出すゴミの量はおよそ1キログラム。日本の1年間のゴミ総排出量は4000万トンを超えています。それは東京ドーム115杯分にも相当する分量です。そのゴミの焼却量はドイツやデンマークなどのヨーロッパ環境先進国の10倍以上なのです。

 「リデュース」とはゴミの発生量を減らそうという考え方です。製造者は企業の責任として、使用済みになったものがゴミとして廃棄されることが可能な限り少なくなるように物を製造・加工・販売するようにすればゴミは減っていきます。一方、消費者にもゴミ削減には責任があります。例えば、シャンプーは詰め替えのできる商品を購入する、トレイに入ったり、パックされたりしたものはなるべく買わないようにする。つまり、ゴミになるものは買わず、持ち帰らずとして、スーパーでもバラ買いが当たり前、買い物袋を持って行くのも当たり前となればゴミの量も大分減るはずなのです。プラスティックゴミの象徴として批判の的にされていたスーパーなどのレジ袋も本年7月から有料化されました。これを機に人々の意識も変わっていけばいいのですが、どうなるでしょうか。

 「リユース」は廃棄するのではなく、使用済みの製品を回収して繰り返し使おうという考え方です。例えば、水や清涼飲料のペットボトルなら洗って再使用することもそれほど難しくないように思えます。問題は回収システムにあります。リユースのためのペットボトルは販売店が回収するか、消費者が店舗へボトルを返しに行かなければなりません。昭和の頃は街中の酒店などの専門店が各家庭に配達をし、使用後の空きビンを回収していました。そういうことが少なくなった現在では、広く出回ったペットボトルを効率よく回収することは難しくなっています。

 「リサイクル」とは不要となったものを回収・処理して、再資源化したり、再利用したりすることです。回収したものを粉砕や溶解、分解をしてもう一度同じ製品に再生したり、まったく違う製品に形を変えて再利用します。例えば、アルミ缶やスチール缶を溶かしてアルミニウムや鉄に再生してもう一度空き缶を作製する、回収した古紙をパルプに戻して新しい紙(再生紙)にする、ペットボトルを回収して卵パックやカーペットにする、などが行われています。

 あなたは、限りある資源を有効に活用し、環境に配慮しつつさらに発展するために私たちが心がけるべき取り組みは、これら3Rのうちどれが大切だと考えますか。

by KAITOU