コロナ下の入試
来春実施される大学入試を前にして、心中穏やかではない受験生が沢山いることでしょう。でも、平常心を欠いて受験すると、実力を発揮できずにろくな結果にならないことは目に見えています。マスコミなどが発信する情報の多くは大学の入試の運用についてです。つまり、社会現象に目を向けているのであって、入試を受ける本人のことを気遣っているわけではありません。ですから、そうした情報に惑わされることなく、実力を思う存分発揮できるようにしましょう。そのためには、志望大学が実施する入試の出題意図、過去の出題傾向等をよく研究し、繰り返し問題に接することが肝腎です。
入試制度の変化など気にすることはありません。受験生みんなが同じ制度の下で受験するのですから。そして、一般選抜であれ総合型選抜であれ、大学があなたに求めている内容に変わりはありません。「高校生活を謳歌し、学ぶべき事柄をきちんと身に付けているか。そして進学の目的は明確か」です。そのことを判断するために大学が実施するのが入学試験なのです。
文部科学省が発表している来春の入試要項(令和3年大学入学者選抜実施要項)は、国立大学のみならず、公立大学や私立大学もこれに沿って入試を実施します。さらに私立大学は「設立の理念」の基に教育を展開していますので、その内容を加味する場合もあります。いずれにせよ、あなたが受験しようとしている大学の「入試要項」を丁寧に読み、しっかりと理解しておきましょう。
文部科学省の入試要項「入試方法」の項に以下のように書かれています。
「入学者の選抜は、調査書の内容、学力検査、小論文、(中略)入学志願者本人の記載する資料等により、入学志願者の能力・意欲・適正を多面的・総合的に評価・判定する入試方法(以下「一般選抜」という。)による。」
この「一般選抜」の他に、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適正や学習に対する意欲、目的意識を総合的に評価・判定する「総合型選抜」(以前のAO入試)、高等学校長の推薦に基づく「学校推薦型選抜」などがあります。
こうしてみると、コロナ下の入試だからといって不安を抱く必要がないことが分かります。通常の入試と変わらず「あなた自身の能力や適性を総合的に判断する」のですから。そして、コロナに関しては、学業の遅れや感染してしまった受験生への対応等、きめ細かな策を講じるように配慮されています。
不安をあおるような情報に惑わされることなく、志望校の入試要項にきちんと目を通し、受験する入試方式に沿った十分な対策を講じておくことが必勝への近道です。あふれる情報に心を乱すことなく、目標突破に向かって頑張ってください。
by MATSUTANI